妊婦加算凍結の事務連絡が届きました

ニュースで報道されていたので、妊婦さんに縁のない方も耳にしたり目にしたりしたことがあるのではないでしょうか? "妊婦加算" という単語。

医療機関で診療を受ける場合、はじめての場合は初診料、再診の場合は再診料がかかります。その他様々な条件でプラスαの金額が上乗せされるのですが、それらを “○○加算" といいます。"妊婦加算" はその名の通り、患者が妊婦の場合に加算されるものです。

2019年1月から算定できないという事務連絡

そんな “妊婦加算" ですが、世論に押される格好で凍結、2019年1月から算定できないという事務連絡が届きました。

診療報酬の算定方法(平成 20 年厚生労働省告示第 59 号)別表第一医科診療報酬点数表第1章区分番号A000に掲げる初診料の注7(妊婦に対して初診を行った場合に限る。)、注10及び注11、区分番号A001に掲げる再診料の注5(妊婦に対して再診を行った場合に限る。)、注15及び注16並びに区分番号A002に掲げる外来診療料の注8(妊婦に対して再診を行った場合に限る。)、 注10及び注11に規定する加算については、平成31年1月1日から別に厚生労働大臣が定める日(現時点では定められていない。)までは算定できないこととすること。なお、当該加算の算定については、平成30年12月31日まで、なお従前の例によること。

4月にはじめて1年も経たないのにこんなことに。導入するまで議論しただろうに(苦笑。

加算に反対する意見

そもそもこの “妊婦加算" は、"妊婦さんを診たときはプラスαの報酬がとれるヨ" というもの。実際、妊婦さんは一般の患者と比較すると様々なリスクがあります。そのため、妊婦であるために診察を嫌がられることがあるのも事実で、そういったことを無くす(減らす)ためのインセンティブです。

私的にその考え方自体は間違っていないと思っています。そのため “妊婦だからということで負担が増えるのはおかしい" といったとっかかりで凍結のニュースを見た時に「いやいや、妊婦さんはリスクがあるのだから負担が増えてもおかしくないでしょう」と感じたのです。しかし、それがコンタクトレンズの処方でも妊婦加算が算定されているというものだったので、「そりゃそうだ」と。

この “妊婦加算" 、妊婦だからといって、必ず算定できるわけではありません。医師が診察する時に、その患者が妊婦であることを認識して診察してはじめて算定できます。認識して診察したかどうかは診療録へ記載しておく必要があります…って、だからコンタクトレンズの処方であっても、妊婦であることを認識して診察し、診療録へその記載をちゃんとしていればOKだったわけです。

加算に賛成する意見もありましたが

そんな加算ですが、医療機関側ではなく、患者の側からも賛成する意見もありました。実際に診療を嫌がられたことがあった方なのでしょう、本当に妊婦であることを認識して、適切な判断をしてくれるのであれば加算は問題ないということ。

一方で、加算の目的自体は認めるものの、この少子化が進む中で妊婦の自己負担を増やすことがさらなる少子化を招くのではないかという意見もありました。与党である自民党からも公明党からも妊婦が自己負担することに反対する意見がでています。わからないでもないですが、恩恵を受けるのが妊婦であるのであれば、その恩恵を受ける者が負担するのが正しいと思うのですがどうなんだろう?

皆が納得することはできません

極論ですが、全ての者が同じように納得することはできません。誰かが得をするのであれば、誰かが負担することになります。それを “ベストでなくてもよい答え" あるいは “仕方がない" と納得してくれるよう落とし所をつくるのが政治だと思っています。

民意ばかりに振り回される政治が正しいとは思いません。政治家は自身の思想に従って、日本を良い方向に持っていってくれることを期待します。