「オプシーボ使いたい」という声

京都大学特別教授の本庶佑氏のノーベル医学・生理学賞の受賞が決まり、オプシーボ(一般名:ニボルマブ)の名が大きく広まりました。それに伴い、病院のがん相談窓口に問い合わせが殺到しているそうです。ノーベル賞「オプジーボ使いたい」病院に問い合わせ殺到(NHK NEWS WEB)

こういった状況を危惧してでしょう、免疫チェックポイント阻害剤を含む免疫療法に関して、全国がん患者団体連合会から注意喚起が出ました。免疫チェックポイント阻害剤を含む免疫療法に関する注意喚起(全国がん患者団体連合会)

こういったニュースを見ていると、昨年、地域がん診療連携拠点病院で実際にオプシーボやキイトルーダを使って肺がん治療をしている先生と会話したことを思い出します。

誰にでも使える治療法ではない

保険適用される癌は限られています。また適用されるがんであったとしても、誰でも使える治療法ではありません。たとえば、肺がん治療においてはオプシーボはファーストラインでは使えません。化学療法の結果がよくなかった患者のセカンドラインとして使うことができます。キイトルーダは検査をしてPD-L1の発現率が50%以上の場合はファーストラインから使うことができます(注意:昨年会話したときの話です。今は違うかも)。

したがって、患者が希望しても、必ずしも治療法として選択できるわけではありません。もちろん、保険適用ではない自由診療の場合はこの限りではありませんが…

重篤な副作用もあります

ここのところのニュースを見る限り、"一般的な抗癌剤治療よりも副作用が軽い" という感じがあります。間違いではありませんが、間質性肺炎など重篤な副作用を起こすことがあります。肺がんの骨転移の治療のために放射線治療を行ったときに肺に放射線があたっていた場合など、間質性肺炎を起こす可能性が高くなるということでした。そういった場合にオプシーボ(あるいはキイトルーダ)による治療は選択しないと。

必ずしも皆に効果があるわけではない

上に記したように、効果が見込める患者に投与を行うわけですが、それでも効果がある患者は必ずしも多くはありません。会話からは30人ほどに投与して効果がでているのは数人という印象でした(この"効果"が癌が小さくなったなのか、憎悪しなかったも含むのかは不明)。

効果がすぐに出てくるとも限らない(あるいは効果がでない)ので、そのあいだに癌が大きくなる懸念もあるようでした。

これからのがん治療をかえることは間違いない

なんだか否定的なことばかり記しましたが、画期的ながん治療法であることは間違いありません。これから研究はもちろん、他の薬を併用した臨床試験がすすむことで、よりよい治療結果がでてくるでしょう。結果、癌が治ることが当たり前の時代がやってくるかもしれません。凄いことです。